生命保険(死亡保険)の手続き

被相続人が生命保険(死亡保険)に加入していた場合、保険金の受取人として指定された人(相続人であるか否かを問いません。)は死亡保険金を受け取ることができます。

死亡保険金は厳密には相続財産ではありませんが、人の死亡をもって請求権が発生することや、相続税の申告では相続財産として扱われたりすることから(みなし相続財産)、相続の問題と併せて検討されることが多いです。

生命保険の保険金請求権は3年で時効となりますので、自身が死亡保険金の受取人であることが判明したら、すみやかに保険金を受け取るための手続きをしましょう。

今回は被相続人が生命保険(死亡保険)の契約をしていた場合の相続手続きを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.死亡保険金を受け取れる人

死亡保険金を受け取れる人は、相続人だけとは限りません。

契約者が指定した「受取人」が保険金を請求することができます。

ただ、誰でも受取人になれるわけではなく、通常、死亡保険金の受取人として指定することができるのは以下のような親族です。

  • 配偶者
  • 子または親
  • 孫または祖父母
  • 兄弟姉妹
  • 婚約者や内縁の配偶者(保険会社によって別途条件が定められていることが多いです。)

なお、死亡保険金の受取人は複数でも構いません。

複数の受取人を指定する場合には、例えば配偶者と子にそれぞれ2分の1ずつといったように、それぞれの受取人が受け取る死亡保険金の割合を定めます。

受取人が指定されていない場合

死亡保険金の受取人が指定されていなかった場合には、「被保険者の法定相続人」が保険金を受け取ることになります。

法定相続人が複数いる場合に各相続人が受け取る割合は、民法で定められている法定相続分ではなく、均等とされていることが多いです。

また、かんぽ生命のように受取人の順位が定められているところもあります(ちなみにかんぽ生命の場合は配偶者が第1順位、第2順位が子、その後は父母→孫→祖父母などと続きます。)。

受取人が既に死亡していた場合

被保険者が死亡したとき既に受取人が死亡していた場合には、「受取人の法定相続人」が保険金を受け取ることになります。

受取人の法定相続人が複数いる場合に各相続人が受け取る割合は、受取人が指定されていない場合と同様、民法で定められている法定相続分ではなく、均等とされていることが多いです。

ただ、かんぽ生命については、受取人が既に死亡しており、受取人の変更がされていない場合には、受取人が指定されていない場合として取り扱われるため、「被保険者の法定相続人」の中から上記の順位で受取人が決定されることになります。

以上のように、かんぽ生命については通常の生命保険(死亡保険)と取り扱いが若干異なるため注意が必要です。

2.死亡保険金は遺産(相続財産)ではない

死亡保険金は遺産(相続財産)ではありません。

そのため、死亡保険金は遺産分割の対象とはならず、相続人の一人が死亡保険金を受け取ったからといって、遺産分割で受け取れる財産の額が減額されてしまうものではありません。

ただし、遺産(相続財産)の額が少額なのに対し、死亡保険金の金額が高額でそのままの受け取りを認めると著しく不公平になってしまう場合もあります。そのような場合、死亡保険金を「特別受益」と評価して受取人の遺産取得額が調整される可能性があります。

3.死亡保険金の請求方法

被保険者が死亡したら、死亡保険金の受取人に指定された人は、保険会社へ保険金の請求をする必要があります。保険会社の方から自動的に保険金が振り込まれるということはないため、何も手続きをしなければ、保険金を受け取らないまま時効となってしまいます。

まずは保険会社に連絡をして、被保険者の死亡と保険金を受け取りたい旨を伝えましょう。

その上で保険会社所定の書式の請求書に記載をし、死亡診断書や本人確認書類などの必要書類一式と併せて提出をすれば、保険会社から保険金が振り込まれます。

保険金請求権は被保険者の死亡の日から3年(かんぽ生命の場合は5年)で時効となってしまいます。

もっとも、時効期間が経過していても、保険会社の方で保険金請求権の内容を確認できれば受け付けてくれるところも多いので、あきらめずに保険会社に問い合わせください。

4.相続税の計算や控除について

死亡保険金は法律上の遺産(相続財産)ではありませんが、相続税の申告の際には「みなし相続財産」として他の相続財産に含まれて計算されます。

もっとも、死亡保険金には個別に非課税枠が設けられており、保険金の合計額が「500万円×法定相続人の数」を超えない場合には、相続税の課税対象にはなりません。ただし、死亡保険金の受取人が相続人以外だった場合には、非課税の適用はないため、注意が必要です。

5.保険金の請求手続きは司法書士までお任せください

死亡保険金を受け取る手続きが面倒な場合には、専門家が代行いたします。預貯金の解約・払戻しや相続登記などまとめてご依頼頂ければ、相続人の方にかかる負担も小さくなります。

また、税理士とも提携しているため、保険金受領に伴う相続税の相談についても承ることが可能です。

相続人の立場になると、さまざまな手続きに追われるものです。お困りの場合、お気軽に司法書士までご相談ください。

 

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