相続における不動産売却の流れ

相続した不動産を売却したい場合

相続した不動産を売却したいというご相談は非常に多くあります。

自分が相続することになった現金や預貯金は、すぐに自分の財産として使うことができます。しかし、自宅などの投資用以外の不動産を相続したはいいが、自分には既に自宅があり、相続した不動産に住む予定は今後もないという方は沢山いらっしゃいます。

そうなると、相続した不動産の取り扱いは、

  1. 空き家のまま管理する
  2. 賃貸に出す
  3. 売却する

の3パターンになります。

空き家のまま管理する場合は、固定資産税や都市計画税もかかってしまいますし、建物や塀が古くなって倒壊の危険などが出てくると修繕義務が発生します。また、マンションであれば管理費や修繕積立金といった固定費を支払わなければなりません。そのため、将来親族が住む予定があるなどの理由がない限り、空き家のまま管理するメリットは少ないでしょう。

賃貸に出して賃料収入を得るというのも一つの方法ですが、駅近のマンションならともかく、古くなった戸建てや立地が悪いマンションでは賃借人がいつまでたっても決まらないということも多いです。賃借人が決まらなければ、その期間は赤字が続くことになります。

相続した自宅などの不動産に自らが住む予定がない場合には、早急に売却して手放してしまうのが最も賢い方法といえます。

以下では相続した不動産を売却する際の流れについて説明します。

1.相続登記をする

相続した不動産の名義が被相続人のままでは、その不動産を売却することができません。そのため、まずは被相続人の名義から不動産を取得した相続人の名義に名義変更(相続登記)をしなければなりません。

不動産の名義変更(相続登記)は、被相続人や相続人の戸籍や住民票などを集めて遺産分割協議書・登記申請書を作成し、不動産の所在地を管轄する法務局に提出します(遺言書があれば、遺産分割協議書が不要になることが多いです。)。

提出された書類に不備がなければ、大体1~2週間程で登記が完了します。

登記が完了したら、不動産の全部事項証明書(謄本)を1通ずつ取得しておきましょう。

相続手続の流れ

2.不動産の売却先(買主)を探す

相続登記が完了したら、不動産を売却する手続きに入ります。

不動産売却の流れは、買主が既に決まっているか否かで以下のように分かれます。

2-1.買主が既に決まっている場合

自分の親戚や知り合いなどが相続した不動産を欲しいと言っており、既に売却先が決まっているということもまれにあります。

この場合には、不動産を取得した相続人とその買主との間で話し合った上で売買代金額等を決定し、売買契約を締結することも可能です。

しかし、不動産は高額になることが多く、境界の問題であったり、税金の問題であったり、トラブルが生じることも多いのが事実です。

そのため、たとえ親族間や仲が良い知り合い同士であったとしても、司法書士などの専門家や不動産会社など第三者を入れることが望ましいと言えます。

2-2.買主が決まっていない場合

この場合には、買主を探さなければなりませんが、一般の方が自分だけで買主を探すのは不可能に近いので、不動産会社に依頼をすることになります。

不動産会社といっても大きく分けて2種類存在します。

  • 自社で不動産の買い取りをする買取業者
  • 買主(買取業者を含む)を探して取引を仲介する仲介会社

個人の買主にできるだけ高く買ってもらいたいという場合には、仲介会社に依頼して個人の買主を探してもらうことになりますが、不動産によっては買主が見つかるまでにかなりの時間がかかることもあります。

逆に、売却価格が多少安くなっても早く買い取って欲しいという場合には、不動産の買い取りを専門に行っている買取業者に売却するのがよいでしょう。仲介会社に依頼して不動産の買取業者を探してもらうこともできます。

相続手続の流れ

3.売買契約の締結、代金の支払い(代金決済)

不動産の買主が決まったら、買主との間で売買契約を締結します。

売買代金は、通常契約時に手付金として一部を支払い、代金決済日に残額を支払うことが多いですが、買取業者に売却をする場合には、売買契約の締結と代金決済を同日に行うこともあります。

なお、不動産の売却前に、土地の測量・地盤調査や境界画定、古い建物の取り壊しなどが必要になる場合もあります。

また、買主が銀行などから住宅ローン等の融資を受ける場合には、契約締結後、代金決済までの間に審査が行われます。

相続手続の流れ

4.名義変更(所有権移転登記)

不動産の売買契約を締結し、代金の支払いも無事済んだら、不動産の名義を売主から買主に変更する手続き(売買による所有権移転登記)を行います。

この名義変更(所有権移転登記)手続きは、通常代金決済に立ち会った司法書士が行うことになります。司法書士は仲介会社や買取業者が指定してくることが多いですが、売却をする売主側で指定することも可能です。

売主から買主への名義変更(所有権移転登記)によって、不動産売買の手続きとしては完了となります。

名義変更の手続きが終わった後も、売主側では譲渡所得税(場合によっては相続税も)の申告・納付、買主側では不動産取得税の納付と確定申告(住宅ローン控除)が必要になる場合がありますので、不動産会社や専門家などに確認するようにしてください。

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